クラウド秘密基地 導入事例

株式会社日祥様のクラウド秘密基地™ Vol.1

DX
Microsoft365
クラウド秘密基地
導入事例

ビジネスチャンスを逃さない
-踏み出したデジタル改革への道

1981 年に開業した株式会社日祥。工事、保守点検、クリーニング等設備関連事業主と「お客様へ快適な環境を提供する企業」という理念を実直に体現する会社です。開業以来積み上げてきた実績は豊富で、東京スカイツリーのようなランドマークをはじめ、大型商業施設、ホテル、病院、学校、大小さまざまなオフィスビルなどを手がけ関東のヶ所に拠点を拡大。きめ細かな仕事とサービス精神多くの顧客の信頼を獲得してきました 

 

 

 

 

もうすぐ開業 4年を迎える同社は、「この先100年続く企業」を目指しています。従業員が力を最大限発揮しお客様に高い価値を提供するため、戦略的に IT 化への注力を決断。ネクストリードは、 2023 年より旧システムからのクラウド移行、Microsoft 365 の導入・活用、Power Platform でのワークフロー自製などを支援し、着実に変化する同社に並走してきました。活気溢れる社風をさらに盛り上げながらビジネス変革に挑む日祥は、IT の力をどのように最大化させていくのか。このミッションを背負って立つ 3名にお話を伺いました。 

左から神田氏、鈴木氏、金子氏、齊藤

 

■社内の課題を認識することから始まったクラウド化への道

――はじめに、ネクストリードをパートナーとして選んでいただいたきっかけをお聞かせください。

 

鈴木氏:約 1年前、それまで使用していた当社独自のシステムが使えなくなるタイミングがきました。「新しいシステムについてご相談できるところはないか」と探していたところ、あるご縁で小国さんをご紹介いただいて御社を知り、お願いすることになったというのが経緯です。

 

神田氏:以前使っていたシステムは、マスタの修正も自分たちで簡単にはできず、営業所の追加など項目の変更を気軽に行うことができませんでした。また、しばらく行っていなかった更修作業も必要だったのですが、事前の中身の状況確認からしてかなりのコストがかかる見通しとなり、どうすべきかしばらく足踏みをしていました。しばらく現状維持でやっていたのですが、やはり実務上非常に不便だったため対策を考え始め、先ほどの鈴木の話に繋がっていきます。

 

――弊社にお声がけいただきありがとうございました。きっかけはそのようなお困りごとだったかと思いますが、背景には IT に力を入れたり、クラウド化に踏み切ったりというお考えもおありだったと伺っています。

 

鈴木氏:そうですね。まず「業務効率を上げたい」と思っていました。業務の性質上従業員の労働時間が長くなる傾向にある上、工程表を外で見られなかったり、現場から帰った後も報告書を作成しなければならなかったりという状況がありました。これらをどうしても解決したいと考えていて、そこに対してはデジタルしかないという意識があったのです。そもそもこの建築関係・設備関係の業界は、デジタル面で遅れをとっているところがあるのですが、他にも色々な場面でデジタルを業務効率化や販売促進に繋げたいと思っていました。中期経営計画にも IT を重点施策のひとつとして盛り込んでいます。

 

――まずはどのようなことに取り組んだのでしょうか。

 

鈴木氏:元々使っていたシステムも基本的には使いやすかったので、はじめはそれに似たものを作ってもらおうという考えだったのですが、小国さんから「その前にまずは足元から確認しませんか?」というお話をいただきました。シンプルに「今皆さんが困っていることはありませんか?」という全社員向けのヒアリングからスタートしたんです。すると、「こういうことが出来たらいい」「こういうことに困っている」など潜在的な課題が次々と浮かび上がってきました。

 

金子氏:課題の優先順位や重要度を整理して管理表にまとめるのを小国さんにお手伝いいただき、そこからプロジェクトの方向性を決めていきました。

 

――ネクストリードは、より効果的なアプローチを見つけるために、まずお客様の「急所」を把握することに時間をかけます。そのヒアリング作業を経て、どのような課題が見えてきたのでしょうか?

 

金子氏:まずは、先ほど言ったように工程表や仕様書、見積書などを外から見られないことの不便さ、報告書作成などにおける煩雑さ、それにより労働時間が長くなってしまうことなどがあがりました。例えば、外ではお客様との電話中に書類の確認ができないので、何度か折り返しのやりとりをしないとなりません。それは一番大きな課題だったと思います。そこで、工程表や諸々のデータの可視化や、それらを外から見えるようアクセシビリティを向上することなど、まずは旧システムの代替となるものの確立に取り組むことになりました。プラットフォームとして、Microsoft 365 を社内の一部から導入し、その後範囲を広げて全社展開することを視野に、齊藤さんに Microsoft 365 の世界観やツールの使い方に関する勉強会を開催してもらい、社内に定着を試みるという流れでした。

 

――社内の反応はいかがでしたか?

 

鈴木氏:課題にもあがった通り、私は仕事におけるスピード感を求めていました。現場の手間が増えれば増えるほど、結局ビジネスチャンスを逃していることに気付いたのです。そこで、施策の意図を社内に周知することにも注力しましたが、最初は変化に対する抵抗も見られました。アナログな業界でもあるので、デジタル化にすぐ馴染めるかどうかは人それぞれでした。しかし、しばらく使い続けてみると良さを実感することで腑に落ちていく人が増えていったように思います。

 

金子氏:例えば、齊藤さんに勉強会で Teams を教えていただいたことを機に、会社内の連絡はチャットに統一するという決まり事を作りました。Teams を見ることがなかなか習慣化しない人もいたり、「変化するスピードがちょっと速すぎる」という声もあったり、仕組みがあるのに連絡が届かず本末転倒になってしまうという課題を感じたこともありました。一方で、得意な人が周囲に使い方を教え有用性を伝えていくという形で、どんどん広がっていきました。

 

齊藤:浸透させるということは意識の変化に関わるので、容易いことではないですよね。でも携わらせていただく中で、コツコツ取り組まれる様子が伝わっていました。

 

ソリューションが組織に溶け込むまで続ける並走 

――ネクストリードは並走型の支援を大切にしています。お客様が導入したものをきちんと使えているか、提供したソリューションが組織にしっかり溶け込んでいるかまで確認したいという想いがあるのですが、その並走は感じていただけましたか?

 

鈴木氏:はい、齊藤さんにはかなりご協力いただきました。齊藤さんがまるでうちの社員に思えてくるくらい深く関わってくれましたよね。

 

神田氏:Microsoft 365 の導入が終わった後、Power Automate を用いたワークフローの自動化も支援していただくことになりました。今、物品購入や施工依頼の承認など、齊藤さんに構築していただいた 14 のフローが動いている状況です。私はそれを担当していたのですが、最初は仕組みをきちんと理解できていなかったので、齊藤さんに頼りきりでした。実際形にしていく段階でも細かな希望が次々と出てきて、「ここはこうしたい」とご相談することで齊藤さんを一瞬困らせてしまうことが多々あったと思います。しかしリクエスト通りに実現するのが無理だとしても、希望を踏まえて代替案を示してくれるなど親身な姿勢に本当に助けられています。

 

金子氏:いくつかの案件が同時に進行していたので、様々なチャットが飛び交う中、全てに対し必ず何らかの返答をくれました。本当に真面目に誠実にお仕事してくださいました。

 

齊藤:ありがとうございます。そのような対応が出来たのは、「齊藤さん、全部よろしく!」と丸投げを決してせず、皆さんが自分事として取り組んでくださったからだと思っています。質問をする前に必ずご自身で調べ、会議の時も積極的に質問をしてくださいました。課題を自主的に場に持ってきてくださったことで良い展開ができたのではないかと感じています。とても嬉しかったのが、Microsoft 365 導入後少し経った頃に社内アンケートを取っていただいたことです。

 

鈴木氏:我々が「いつまでにこうしたい」という想いのもと推し進めたこともあり導入のスピード感がとても速かったので、社内に多少の混乱が見られた時があったんです。そこで、「この仕組みについてどう思うか」「進め方に問題はないか」などを確認したくてアンケートを取ることにしました。新しいことを始めると反対する人も一定数いるのは当然ですし、そういう意見や困り事を中心に知りたかったのです。でも「これが使いやすい」「ここをこうするともっと良くなる」という積極的な声も多く聞かれました。

 

齊藤:勉強会以来、導入したものを現場の方々がお仕事でうまく使えているか気になりながら過ごしていたので、アンケートによるフィードバックは貴重でした。ツールに慣れていない方が気になる点や、実務上必要な作業に関わる部分など、非常に重要ながら私が気付きにくい声を集めて届けていただいたので、今後どのような粒度でコミュニケーションをしていくべきかを理解するのにも役立ちました。

 

――協力的に関わってくださったんですね。こちらからの提案で、特に印象に残っていることや貴社の実務にマッチしたものはありましたか?

 

神田氏:弊社の承認フローは、購入料金によって承認者が異なったり多段階承認だったり比較的複雑なんです。基本的に承認ルートは変えられないワークフローが多い中、齊藤さんが構築してくれたものは承認者を柔軟に変更でき非常に便利です。また、メンテナンスまで自分ですることを目指していたのですが、リモートでのレクチャーでは正直理解し切れない部分があり、先日齊藤さんにご来社いただきました。大分理解は進みましたが、こちらの要望も複雑なため作業も自ずと高度になっていきます。難しさを感じる反面、逆にそれができるようになったらすごいなと考えるようにしていて、今後が楽しみでもあります。

 

鈴木氏:クラウド活用の入り口として Teams のチャットや Outlook の予定表など、日常的な活用方法から教えていただき実践したわけですが、情報共有が活発にできるようになり、今やむしろ家族よりもチャットをしているのではないかという量が飛び交っています。クラウド化を支援いただいたことで社内には大きな変化がもたらされたと思います。

 

金子氏:正直、最初は Outlook の予定表に対しても「うーん」という反応があったのですが、今はもうそれで管理することが普通になり、半年前の状態が信じられないくらいの進歩を感じています。

(Vol.2 に続く) 

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