クラウド秘密基地 導入事例

東京エレクトロン株式会社様のクラウド秘密基地™ Vol.1

クラウドセキュリティ
クラウド秘密基地
導入事例

皆から「仲間になりたい」と声があがる秘密基地の魅力
ネクストリードは“身内の感覚”を持った信頼できるパートナーです

東京エレクトロン株式会社は、国内に 27 拠点、海外に 56 拠点を擁し、半導体製造装置事業を行う東証プライム上場企業です。高い技術力をもって伸長を続け、同市場におけるシェアは国内首位、世界でもトップ 4 に名を連ね続けています。また世界で唯一、ミクロン〜ナノレベルの電子回路パターン形成のための 4 工程を網羅する製品群を有するとともに、世界 1 位の特許保有件数(2023年3月期)を誇る、日本の半導体業界を牽引するリーディングカンパニーです。

近年、特にその動向が注視される半導体業界にあって、重要性が高まるのが情報資産に対する堅牢なセキュリティです。ネクストリードは 2021 年から、同社の IT ユニット 情報セキュリティ部のパートナーとして、Microsoft 365 や Microsoft Azure を活用した SOC の強化やそのための基盤整備、その他情報セキュリティ向上のための施策全般において並走を続けてきました。東京エレクトロンの「情報セキュリティのクラウド秘密基地」では今何が進行しているのか。そして今後の展望とは。同部サイバーセキュリティグループの菅野祐貴氏にお話を伺うため、東京赤坂の本社を訪ねました。

情報セキュリティ部サイバーセキュリティグループ 菅野祐貴氏

 

■東京エレクトロン(以下、TEL)とネクストリードの出会い

――はじめに、ネクストリードにご依頼いただいたきっかけをお聞かせください。

 

菅野氏:当時、当社の状況やサービス内容を総合的に判断し、メインインフラであるマイクロソフトの製品やサービスを活用してセキュリティの向上を図ることが戦略的に決定されました。Microsoft 365 E5 の活用に強いパートナーを探していたところ、マイクロソフトのご担当にネクストリードさんをご紹介いただきました。

 

単純な製品やサービスの稼働だけでなく、内部向け SOC の強化やその際用いる基盤の整備など多方面の対応が求められていた中で、当初よりセンサーや SIEM の実装、運用のフォローをお願いしてきました。現在はより幅を広げ、ゼロトラストの推進、AI やフロー化によるオペレーションの自動化など、全般的なセキュリティ強化をご支援いただいています。

 

――最初のネクストリードの印象はいかがでしたか?

 

菅野氏:初めから状況に対する理解が深く適切で、感動したのを覚えています。何より、一緒に仕事をしてくださる印象がありました。特に成田さんには黎明期から今までずっと支えてもらっています。困った時には「こういう実装はどうですか?」と具体的な提案があったり、作業に来てくださったり。そのフットワークの軽さや、こちらの意図を瞬時に理解される力というのは、実践経験が豊富、かつセキュリティやオペレーションに相当造詣の深い人にしか無いと思います。全員が「ここに頼もう」と決意したきっかけになりましたが、セールスの観点から最初だけ実力の高い担当者を付けてくださったのかなという不安はありました。

 

――ありがとうございます。その後約 3 年間お付き合いいただいていますが、TEL 様が掲げていた戦略に対するネクストリードのサポートはいかがでしたか?

 

菅野氏:当社では、集めたログの活用、監視と防御、その対策に Microsoft 365 E5 が持つ豊富な機能を結びつけるという高い目標を掲げていたため、「しっかりやっていかなければ」と私も覚悟を決めていました。そんな中でネクストリードさんは単に E5 の機能を有効にしていくだけではなく、目標に寄り添ったサポートをしてくださり、新鮮で楽しい印象を受けました。Microsoft Azure の活用も必要となり、初期は私自身わからないことも多かった中、ネクストリードさんとご一緒することで「こんなこともできるのか」とエンジニアとして日々楽しんでいた記憶があります。色々教えていただきながら学ぶうちに「一緒にエンジニアリングしているな」と実感するようになり、同じ視点で高い目標に向かって段階的に進んでこられました。

 

「こんなに面白いものがあるのか」と思ったと同時にそれを活用し尽くせる人がいるということにも日々驚きを感じていたものです。その新鮮さが、初期のみならず今でも全く飽きずに続いていることに Azure の奥深さも感じます。「これを使いこなしたら大きな武器になる」という感覚を抱いています。

 

――「新鮮」「楽しい」と感じていただけたのは嬉しいです。成田は常々プロジェクトメンバーに「プロアクティブに提案しよう」と言っています。そのためには絶え間ないキャッチアップも必要ですね。

 

成田:そうですね。言われたことだけをやるのではなく、何も言われなくてもお客様が必要としていることを考え先回りして動くということ。またお客様の立場からすると「これってお願いしていいのかな」と躊躇されることも多分あると思い、こちらから手を伸ばしてご提案ができるよう心がけています。

 

菅野氏:新しいサービスをいち早くキャッチし理解しているというのは、本当に尊敬するところです。提案のためには私たちのことも知っていただかないといけませんし、その点においても信頼感があります。達成すべき目標を見据え、行間を読みお願いした以上のことをしてくださっていると日々感じています。

 

成田:ネクストリードの根本には、お客様の文化や背景を知らないことには適切なサービスはご提供できないという考え方があります。最適な方策を導き出すために、まず「お客様を知る」ということを強く意識しています。その上で最終的な目的は課題を解決し成果を創出することです。何か特定のツールや機能にはこだわらず、トライして効果がなかったらやめることもあります。私たちが頼っていただけているのはそういう点だと思っており、チームでもよく確認し合っています。

 

菅野氏:ネクストリードさんは「これしかできません」とか「もうサービスが決まっています」ということがなく、体制やソリューションの提案に非常に公平性があります。

 

――セキュリティ環境を整備されるには、様々な苦労もあったと思います。

 

菅野氏:まず「見えるようにすること」も大変でしたが、一気に見えるようになった時、何から対応してよいか分からないという苦労がありました。私は PC にセンサーを入れるところを担当しましたが、ある程度は設計していたものの、いざ入れてみるとどう活用すればよいのか、最初はピンと来ませんでした。その時も基礎的な使い方の講義、協働調査作業を含め丁寧にケアしていただきました。オペレーションも手伝ってくださいましたね。

 

■並走しながら作り上げた秘密基地に仲間が増えていく

――ネクストリードが大事に考えている「並走」はできていたでしょうか?

 

菅野氏:はい。いつも中に入り、一緒に悩みながら進もうとしてくれました。同じオフィスにはいないけれど、近くで一緒に仕事をしているかのようにフォローしていただいています。

 

今では社内のステークホルダーとの会話の場に臨席いただくこともあり、実現すべき要件の吸い上げ、説得、交渉においても非常に助かっています。高度な技術の話題や戦略について一緒に提案していただき、情報セキュリティシステム分野の専門家でありながら TEL の身内の感覚も持って現場の事情や考えを尊重してくださる印象があります。これらは、先ほど成田さんがおっしゃったように相手のことを知らなければできない対応ですし、知ろうとしないとその積極性も出ないと思います。

 

――こちらこそ、身内のように重要な場面で頼っていただきありがとうございます。両社の信頼関係が特に深まったと感じたエピソードはありますか?

 

菅野氏:常々寄り添っていただいたからこそ「ここ」というタイミングはないのですが、当社でネクストリードさんと接した人達は、会議の度に「すごいな」とか「もっと話を聞きたいな」という反応をしています。皆がもっと接したい、一緒に仕事をしたいと思い、個人個人からの信頼が大きく太くなった結果、組織全体からの信頼になったという感じでしょうか。

菅野氏と成田

――良好な関係の構築には、もちろんお客様のご協力が不可欠です。御社を知っている身として思うのは、非常に研究熱心で真面目な方が多いということです。

 

成田:そうですね。会社によって進み方は違い、こちらがお客様の環境を見て「こうしたらもっと良くなる」と思って提案しても、受け入れていただけるとは限りません。また、そこに踏み込むだけの技術力やマインドも必要です。そういう意味で TEL さんは、様々なことを理解し、権限付与や検証環境の提供など私たちの活動に対し柔軟な対応をしてくださるため大変ありがたく、やり甲斐があります。言葉だけで説明してもピンと来ないと思う時には、モックアップを作ってお見せすることも多いからです。

 

菅野氏:設計書だけでは、理解したつもりで理解できていないことがあるため、画面イメージやサンプルを見せていただくとユーザーは反応しやすいです。こちらが言わなくてもそうしていただけているのはありがたい反面、甘えすぎずに自分達でも理解しておかなければと常に思っています。秘密基地を作るのに、「作っておいてね」というのは違いますよね。でもそこに付き添ってくれるのは大変心強いですし、信頼がないとそのようなお願いはできません。どちらかの秘密基地にならないようにという想いがあります。

 

――クラウド秘密基地作りをそのように捉えて下さってありがとうございます。サービス導入後、御社の環境や皆さんの意識に変化はありましたか?

 

菅野氏:マイクロソフトのツールの使いこなしによって、業務効率が確実に上がっているのを感じています。チケット発行方法の統一や抑止条件の実装によって、アラートを一つ一つ見ていた運用が大幅に改善しオペレーターが手動で対応するアラート量が劇的に減りました。ロジック類や監視の実装などは、US チームをはじめグローバルレベルでオペレーションが最適化されました。

 

また、ネクストリードさんによって運用の切り替えなどに関する決断を後押しされたところがあります。「変化は怖いから今まで通りにやろう」という人がいなくなったという点で、意識面に大きな変化が感じられ、実際に成果も出ています。良い意味で欲も出てきました。

 

そうした経緯もあり、マイクロソフト関連の製品やサービスについて、頼りがいのある相手としてネクストリードさんの名前が他部署からも出始めています。個人名も出てくるくらい認知度が上がっていると言えます。クラウド秘密基地を一緒に作りたい人が増えてきていて、皆が「仲間になりたい」と言ってきている状態です。

(Vol.2 に続く)

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