クラウド秘密基地 導入事例

株式会社スノーピークビジネスソリューションズ様のクラウド秘密基地™ Vol.1

DX
クラウド秘密基地
導入事例

ビジネス戦略作りからの並走
共同体としての泥臭い取り組みで実現させた新会員制度のリリース

新潟県にあるものづくりの町、燕三条で 1958年に始まった金物問屋を前身とする株式会社スノーピーク。職人技の詰まった高品質なキャンプギアの開発により多くのファンを獲得し、ハイエンドなキャンプブランドとしてその名を確立した、オートキャンプブームの牽引役です。「人間性の回復」を使命とし「人生に、野遊びを。」のスローガンの下、「衣食住働遊」の領域において自然と人、人と人をつなぐための取り組みを行っています。

そんなスノーピークの DX 部門を支援する子会社として 2016年に設立された、株式会社スノーピークビジネスソリューションズ(以下、SPBS )は、自然とテクノロジーの力でビジネスを支援しています。ネクストリードは同社のデジタル戦略パートナーとして、設立時からビジネス戦略作りやインフラの開発、その運用に並走を続けてきました。今回は SPBS の秘密基地とも言える愛知県岡崎市にあるキャンピングオフィスでお話を伺いました。

前列左から時計回りに、坂田氏、飯田氏、村上氏、小国

 

■キャンプ場での戦略会議から始まった並走

―― SPBS さんは、ネクストリードにとって最もお付き合いの長いパートナーです。まずはその出会いについてお聞かせください。

 

坂田氏:始まりは  2016年の小国さんとの出会いに遡ります。当社の前社長であり現代表取締役会長である村瀬が SPBS のビジネス戦略について小国さんにご相談したのがきっかけでした。

 

小国:2016年は SPBS さんの設立年であり、私がネクストリードを創業した年でもありました。独立し、一人で様々なコンサルティングワークを請け負っていたある日、正にこれから SPBS を設立するタイミングの村瀬さんとのご縁があり、「今後の戦略について相談にのってもらえないか」というお話をいただきました。「お力になれるなら、もちろん」ということで関わり始めました。

 

坂田氏:SPBS の立ち上げに際し、軽井沢のキャンプ場で行われた最初の戦略会議に小国さんも参加してくれました。「SPBS にはどんな可能性があるのか」を考える場でした。

 

小国:懐かしいですね。自分自身以前からスノーピーカーでよくキャンプに行っていたので、スノーピークのブランドで法人向けのビジネスを考える、非常に興味深く面白いお話だと思い参加しました。

 

坂田氏:あの会議は私にとっても転換点でした。7月の軽井沢は緑が綺麗で涼しくて。そこでスノーピークの価値を再認識するために小国さんが作成してくれた資料は、実際に当社の戦略として生きていて、未だにマネタイズされている重要事項もあります。

 

小国:村瀬さんが「皆の強みをしっかり会社やサービスに落とし込みたい」ということで、一人一人プレゼンを行う機会も設けられました。既に知り合い同士の皆さんの中に私は転校生のような感じで入っていったのを覚えています。笑

 

坂田氏:小国さんのプレゼンはやはり法人ビジネス視点で毛色が違い「すごい」という反応が多かったですね。それを機に SPBS の戦略に本格的に関わっていただくことが決定しました。

 

■ DX 戦略と Datadam

――正に自然の中での出会いですね。その後はどのような展開があったのでしょうか?

 

坂田氏:2017年に、スノーピークが法人向けビジネスを行うためにデジタルの有効活用を目指す DX 戦略の検討が始まりました。その構想の延長線上で、後にスノーピークのインフラとして稼働する「Datadam」が生まれます。

 

小国:せっかく「スノーピーク」というブランドがあり、ネクストリードには Microsoft Azure などクラウドを駆使した開発に強いエンジニアも参画し、いくつかの大きなお仕事で本格的にクラウド開発の方向性が固まり始めたところでした。クラウドでプラットフォームを準備して散在しているデータを一ヶ所にまとめ、セキュリティも当時認知され始めたゼロトラストの思想で整備し、一気通貫でインフラを構築すれば中長期的にはコストや労力を下げるための投資になるという提案をしました。

 

坂田氏:「すぐにでもデータを集めるべきです」というアドバイスとともにその構想をわかりやすい資料にしてもらい、経営層にも共有しました。結果、当時検討していた会員制度のリニューアルと同時に、そのインフラとして Datadam の構築に取り組むことが経営戦略として決定しました。

 

小国:そのお話は、白馬のキャンプ場で行われた戦略会議でまとまりましたね。私も会員制度の設計方針に関して思うところをお話しました。例えば、既存の制度はお金をより多く使った人にポイントが付く仕組みでしたが、中にはお金はないけれどスノーピークに憧れ、常に情報をチェックしながら自分に手の届くマグカップなどを買っているような方も沢山いることを知っていました。こういう、心の距離は近いのにポイントはなかなか上がらないスノーピーカーにも目を向けたいという案などです。

 

坂田氏:それらの議論を踏まえて様々なことが決定し、いよいよシステム設計のためのメンバーが招集されたのが 2021年の春頃でした。Datadam プロジェクトのスタートです。

 

■シンプル化のための泥臭い取り組み。新会員制度リリースへ

――新会員制度がリリースされたのは 2022年の元日でした。春からの始動という短期間のプロジェクトにはドラマがあったと聞いています。

 

坂田氏:元々の「スノーピークポイント」に「ライフバリューポイント」という新たな考え方を追加し、会員軸でデータを収集できるプラットフォームの構築を進めました。これにより会員の行動傾向など様々なデータが取れるようになっていきます。ネクストリードさんに Datadam の基盤準備を進めてもらいながら、時間をかけて要件決めの議論と設計を繰り返しました。

 

村上氏:リリースに向け両社共に懸命に走りましたが、最後はギリギリでした。ネクストリードのエンジニアさん達がどこまでの変更に対応可能なのか想像が難しい中、12月に入っても要件の細かい変更が発生して、柔軟な対応が求められました。

 

坂田氏:今だから言えますが、データの移行作業は想像以上に難航しました。ネクストリードの PM の湯浅さんもポジティブに鼓舞してくれ、皆が共同体となっていました。結果的に予定通りの日程でスタートでき、不具合の発生もなし。サポート窓口へのお問い合わせも想定より少なかったです。本当に技術力の高い人達の仕事を知った瞬間でした。

 

小国:Datadam の運用開始は、ネクストリードにとっても SPBS さんと立ててきた戦略を具現化できた大きな出来事となりました。ドラマがありながらも短期間でアウトプットを残せたという実証になったと思っています。「仕事をもっとシンプルに」は弊社がテーマとする言葉ですが、それを実現させるにはここまでのエピソードが物語るように泥臭い工程が必要です。

 

村上氏:あれから約 2 年半というのは、早いようなそうでもないような感覚です。まだまだ始まったばかり、Datadam の夜明けですね。

(Vol.2 に続く)

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